Episode Description
# タイムスタンプ
(0:00) Intro: Public Affairs室寺本さんのご紹介
(4:02) トランプ関税について
(17:03) eToroの目論見書を読む
(28:08) Circleの目論見書を読む
# トピックス
eToroの目論見書を読む
Klarnaに続き、著名Fintech企業によるIPOの動きが続いています(もっとも、トランプ政権下の関税政策を背景に、市場全体に中断ムードが漂っているのも事実ですが…)。
イスラエルを本拠とする投資プラットフォーム、eToroがNASDAQへ上場目論見書を提出しました。Coindeskによると、eToroは評価額$4.5Bを見込んでいるとのことです。
eToroは2007年創業。株式・ETF・暗号資産・オプション取引などを提供し、特にヨーロッパ市場での存在感が大きい企業です。暗号資産取引の機能を比較的早期に提供し始めたこともあり、Net Revenue相当の収益の半分以上が暗号資産由来。そのため、トランプ政権以降のBitcoin相場の追い風を受けて、足元の業績は堅調です。
なお、2021年に同社はSPACを通じた$10.4Bでの上場を目指すも、計画は途中で頓挫。今回はそれ以来の再挑戦となりますが、荒れ狂う相場環境下でどのような結果となるか、注目が集まります。
・目論見書:
https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/1493318/000101376225001589/ea0223534-08.htm
Circleの目論見書を読む
2024年以降、大きな注目を集めているステーブルコインの大手、USDCの運営元であるCircleがNYSEに上場を申請しました。
Circleは2013年に創業。当初は主に暗号資産取引所として事業を開始しましたが、途中で方向転換し、2018年にはCoinbaseと共同でステーブルコインUSDCを立ち上げます。その後、暗号資産市場の拡大とともにUSDCの利用も急速に進み、現在では世界で2番目に規模の大きいステーブルコインへと成長。流通量はおよそ9兆円に達しています。
Circleの収益の大部分は、USDCの裏付け資産から得られる利回りに依存しています。そのため、利下げ局面では収益性の面で逆風を受ける可能性が高く、今後の金融政策次第では厳しい局面も想定されます。一方で、USDCの流通量は堅調に増加しており、事業としては成長傾向にあります。
また、競争環境は厳しさを増しています。USDTのシェア拡大が続く中、Coinbaseとの関係性の変化、大手金融機関によるステーブルコインビジネスへの参入など、外部環境は一段と流動的になっています。こうした中で、Circleがどのように競争力を維持していくかは、今後の焦点となりそうです。
今回は、上場目論見書の中身に加え、USDT���の違いや、米政権との距離感といった論点も含め、外部環境を含めた視点から話しています。
参考資料:
・https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/1876042/000119312525070481/d737521ds1.htm
・https://insights4vc.substack.com/p/circles-5b-ipo-usdcs-next-chapter
・https://www.youtube.com/watch?v=ZJvsyGr7gBg&t=3432s&pp=ygUQdW5jaGFpbmVkIGNpcmNsZQ%3D%3D
# 話し手
瀧 俊雄
執行役員 グループCoPA(Chief of Public Affairs) 兼 Fintech研究所長
https://twitter.com/sutebuu
寺本 健人
Public Affairs室
小林 豪